「看板が頭上から落ちてくる」

オチないかんばん

安心・安全あってこその街づくり

街が楽しいこと。お店から発信される空気が明るく元気であることが不可欠です。
無意識にひきつけられ、自然とその場にいたくなる街並みづくり。
それによってクライアントが繁栄すること。
わたしたちが最も目指していることです。
そのためにデザインと、統一性と明るさを看板や店舗装飾で表現できるよう
いつも心がけています。
 
しかし近年本当にそれだけで良いのだろうかという事件が起こり始めました。
街のいたるところにある看板。
それが突然落下し、命さえも脅かす事態が起きています。
2015年2月。札幌市の繁華街で重さ25キロもある看板が落下し、歩いていた女性の頭を直撃しました。
女性は今も意識不明のままです。
 
こうした看板事故が実は全国各地で起きています。
大手チェーン店を経営される企業クライアントの中には、全国にある店舗の看板を一斉調査を実施されたケースもありました。
 
調査の結果浮かびがったことは...多くの看板がさびたり腐食したりしているという実態です。
そしてそれら劣化は今後ますます進んでいくという現実
事故が起きた看板は1985年3月ごろに設置。
施工した時から実に30年たっていました。
ビルとの接合部分でのさびが知らぬ間に進んでいました。
 
今、私たちが住む街中に高度経済成長期時代に設置された看板がどのぐらい
あるのでしょうか?
この事故のあと、新宿区でも看板の緊急調査に乗り出しました。
調査の対象は人通りの多い新宿駅周辺のビル。
 
そしてそのうち金属のさびや腐食が見つかったビルの数は
なんと3分の1にのぼっています。
 
腐食の進行は、これからも毎日少しずつ着実に進んでいきます。
 
行政では建築基準法にもとづき、各地域の条例のもと点検業務を義務付けています。
北海道の看板も実は点検の対象でした。しかしその点検方法とは...
下から双眼鏡で確認するという方法で行われていました。
 
上の写真の看板は、わたしたちがある看板を実際に点検した結果です。
外側はとてもきれいでしたが、北海道の事故を見て心配されたクライアントからのご希望で依頼を受けて調査した結果、
内部の腐食はもう限界まで進み台風などがきたら、いつ落ちるかわからない危険な看板になってしまっていました。
今や国土交通省や各地方自治体も老朽化した看板の安全性について注意喚起を始めています。
 ※下記はそれらのごく一部です
(順不同)

■国土交通省
 看板の安全管理 ガイドブック
 http://www.mlit.go.jp/common/001106308.pdf

■兵庫県尼崎市
 屋外広告物の安全管理について
 http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/tosi_seibi/kentiku/29092/033135.html

 

■愛知県豊橋市
 屋外広告物の適正な設置・管理について
 http://www.city.toyohashi.lg.jp/19002.htm

 

■神奈川県横浜市
 看板等の落下防止対策について(注意喚起)
 http://www.city.yokohama.lg.jp/kenchiku/shidou/anzen/news/3kanbanchuui.pdf

 

■兵庫県神戸市
 広告板の落下防止対策について

 http://www.city.kobe.lg.jp/business/regulation/urban/building/other/koukokuban_taisaku.html

■大阪府大阪市
 外壁等の落下防止対策のお願い
 http://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/page/0000225370.html

 

安全と商業活動の共存はどうすれば守られる?

もともと全国でも景観条例が厳しかった京都市では、
この事故の前の平成19年に屋外広告物条例を全面的に改正。
人通りの多い中心部などで、歩道にさしかかる看板をすべて禁止したのです。
そして80人からなる専門の部署をたちあげ、規制に取り組みました。
 
担当者は直接ビル所有者のもとを訪ね、交渉を重ねていきました。
撤去の費用はすべてビルの所有者の負担となります。
高いところにある袖看板(ビルの壁面についている看板)などは高所作業車が必要
となり撤去だけでもおよそ10万円程度かかります。更に廃材の処分費、撤去後の
壁面の補修など。
 
この8年間に京都市内で撤去されるなどした看板は、合わせて2万4000個以上になりました。
 
わたしたちは安全と景観を守るためのこのような取り組みに賛同すると同時に、
クライアントの事業を守ることもしなければなりません。
 
いったいどうしたらよいのだろう?
不安が高まると看板をどんどん撤去すべきという流れにもなりかねない。
撤去は良いがこれからのご商売はどう守るべき?
 
看板というのはその地域固有の文化でもあり、街のにぎわいをつくっていくうえで、そして景観を
創り上げていくうえでとても重要な役目を担っています。
 
ただ撤去すべきというのではなく、クライアントの商売を繁栄させ、街を活気づけて、同時に安全が最優先される看板はできないのだろうか。

沖縄に答えがあった

毎年台風の通過点で、台風銀座とも呼ばれる沖縄。
時には暴風雨が一週間以上も吹き荒れることも。
そんな沖縄ならではの「看板建築」があります。
建物の外壁に直接ペンキで文字や絵を描く建物のこと。
直接描いた看板だから、壁面全体に大きく図案をいれても
台風や地震で看板本体が落ちてしまうということは、
ほぼありません。
 
わたしたちはこの発想に着目しました。
 
壁面に直接描くことができて、
しかも剥離などなく色鮮やかに表現できる方法があるかもしれない...
 
試行錯誤を重ねたのち、
3M™社のアクリル製の薄いグラフィックシートに着目しました。

不燃認定材料で安心性がさらに向上

テストにテストを重ね、サイディングやコンクリートの壁面に対し、
板や金具はもとより、釘やネジを一つも使わずに外壁に美しいかんばんを
つけることがついに実現したのです。
そして「オチないかんばん」とネーミングしました。
 
素材のシートは大変柔らかく薄く、しかも引き裂き強度に強い素材であるため、
壁面のスタッコ(凹凸の風合い)にもピッタリと追随。
上から雨水などがはいり込むこともなく、一旦施工したら
無理に剥がそうとするまでは剥がれることもありません。
 
しかもこのアクリル素材は国土交通大臣認定の不燃材料。
建築基準法で定める防火地域又は準防火地域内の看板として、
また不特定多数の方が来られる公共施設やショッピングセンター・病院
などの内装材としても使用可能です。

撤去時の現状復帰と廃材処分

更にこのオチないかんばんの優れた点として、もともと釘やネジを使わないので
撤去する際に壁に穴が開きません。施工して一年以内なら糊のこりも少なく、
現状復帰(撤去)がとても楽にできるという大きなメリットがあります。
 
賃貸物件に店舗を構えるお客様がお悩みの点として、ビルオーナーさんから外壁や柱に一切傷をつけてはならないという
ルールがある場合に、「もっと目立たせたいのだけど何もできない」という声を良くお伺いします。
更に転居時につけた看板を外して穴や板のあとを復帰するのに費用が多大にかかり、更に廃棄処分費もなかなかのコスト。
これらの悩みを一挙に解決するのもこの「オチないかんばん」の大きな利点と言えます。

建築基準法

(昭和二十五年五月二十四日法律第二百一号)

第五節 防火地域

(看板等の防火措置)

第六十六条  防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルをこえるものは、

その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。

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